35mm換算とは、カメラのセンサーサイズにおけるフルサイズを標準とした焦点距離の計算方法のことを指します。
そもそもカメラのセンサーサイズってなんだ…?という方はこちらの記事も併せて読んでいただけると理解が深まるかと思いますので、ぜひご覧ください。
例えば、35mm換算で50mmの焦点距離であれば、APS-Cでは約33mm、マイクロフォーサーズでは25mmで撮影されたものを指します。
これはセンサーサイズによってレンズとの組み合わせでクロップ(拡大・縮小)されることを意味しており、使うセンサーサイズのカメラによって同じ50mmでも焦点距離が近い・遠い事が起こるのです。
よく35mm換算とフルサイズ換算という2つのワードを使うことが多いのですが、これは特殊な場合でない限り全く同じ内容を指しています。(35mmフィルムとの換算を指す場合もありますが、デジタルとサイズが異る話なので分けて考えていただくほうがいいかと思います。)
というのも、各社メーカーはセンサーサイズについて「フルサイズ」と総称しているのですが、このサイズがフィルムの35mm判と近いサイズということから35mm換算と呼ぶ場合もあります。
サイトや本によって表現方法が異なる場合がありますが、同じことを指しているのだなと思っていただければいいかと思います。
では実際に35mm換算を導き出すためにどういう計算をすればいいのかお伝えしていこうと思います。実は小学生でも解ける掛け算になります…!
- 中判デジタルで撮影した写真:焦点距離×0.8
- フルサイズカメラで撮影した写真:=35mmなので計算不要
- APS-Cカメラで撮影した写真:焦点距離×1.5
- APS-C(キヤノン)カメラで撮影した写真:焦点距離×1.6
- マイクロフォーサーズカメラで撮影した写真:焦点距離×2
要はフルサイズは計算不要、その他のサイズは決まった係数をかければいいだけです!(ただしキヤノンのAPS-Cのみ規定が異なるため係数が他のAPS-Cと若干異なります)
これで35mm換算の焦点距離を導き出せます!
例題1:マイクロフォーサーズのカメラを使用し、50mmの焦点距離で撮影した際の35mm換算は?
(答:100mm)
例題2:APS-C(キヤノン以外)のカメラを使用し、16mmの焦点距離で撮影した際の35mm換算は?
(答:24mm)
ここまで35mm換算についてご紹介しました。
フルサイズが優遇されていると思われがちですが、実は逆を言うと小さいセンサーサイズのほうがクロップ(ここでは拡大の意)されているので、より遠くの被写体を撮影できることになります。
フルサイズカメラで50mmは50mmのままですが、マイクロフォーサーズのカメラで50mmは100mmの撮影が可能なので、より遠くの被写体や近接撮影が可能になるという奥深さがあります。
一概にフルサイズがいい!という選択肢だけでなく、他のセンサーサイズの魅力にも気付いていただければ本望です!