まずそもそもセンサークリーニングとはなにかご紹介します。
センサークリーニングとは、主に一眼レフやミラーレスカメラなどレンズ交換式のカメラにおいてイメージセンター(写真を取る際に光源を吸収して写真として記録をする映像素子の集合体のこと)に付着した汚れやホコリを除去することを指します。
そもそもイメージセンサーって何?という方は別記事にまとめておりますのでご覧ください。
カメラのセンサーサイズとは?|図解解説あり!青空や真っ白な壁を撮影した際、黒い斑点などが浮かび上がってくることがあります。これがセンサーに付着したゴミである可能性が高く、これを清掃する目的でクリーニングを行います。
当たり前ですがセンサーを覗き込んでも全くゴミなど付着していないのに、斑点が写真に映ることもあります。それはレンズ面に付着した汚れの可能性もありますので、まずはどこに付着した汚れなのかを確認しましょう。
明らかにセンサーにホコリや汚れがついている場合はクリーニングを行わなければ、ずっと写真に斑点が写り込んでしまいますので、クリーニングを検討しましょう。
この章では、実際にクリーニングを実施している場所をお伝えしていきます。
各カメラメーカー修理センター
言わずもがな、各カメラメーカーの修理センターやメンテナンスセンターはセンサークリーニングを受け付けています。
各カメラメーカーの修理問い合わせ先は別の記事でまとめておりますので、そちらをご覧ください。
カメラ専門店(カメラのキタムラの例)
メーカーとは別にカメラ専門店などでサービスとして承っている店舗もいくつかあります。全国に店舗展開している会社でカメラのキタムラは、センサークリーニング実施店舗を続々と増やしており、本記事執筆時(2021年9月現在)で459店舗という数多くのセンサークリーニング受付可能店舗数を誇っています。
こちらに関しては筆者も寄稿しているカメラのキタムラオウンドメディアの「ShaSha」に詳しく記載がありますので、ぜひご覧ください。
ここまで読み進めていただいた方は「…で、自分でできるの?」と思われているかもしれません。
結論を申し上げるとAmazonや楽天などで販売しているセットなどを使用して実施することはできます!
ただし大事な注意点があります。
それはセンサークリーニングはあくまで自己責任で実施することです。
釈迦に説法ではありますが、カメラのセンターはカメラの心臓であり、容易に触るべきではない場所です。もし万が一ご自身でクリーニングを実施しカメラが動かなくなった・挙動がおかしくなったなど最悪の事態になることもあります。
そういった場合、仮に新品購入時のメーカー保証期間内でメーカーへ持ち込んでも、故意の故障にあたるため高額な修理代がかかることも大いに考えられます。
上記のデメリットをしっかり理解した上で、ご不安な方は迷わずメーカーやカメラのキタムラに持ち込んで依頼するようにしましょう。
次の章からは自己責任で実施します!という方に向けて、センサークリーニングのやり方をご紹介していきます。
ここからは、ある意味本題になりますセンサークリーニングのやり方をご紹介していきます。
重ねてで大変恐縮ですが、センサークリーニングは自己責任で行うメンテナンスになります。ご承知おきいただければと思います。
センサークリーニングに必要な用品
センサークリーニングに最低限必要な用品は下記のとおりです。
スワブ
スワブはセンサー面を直接拭き上げるための専用器具です。センサーサイズによってスワブのサイズが異なってきます。スワブサイズ一覧を下記に載せておきますのでご活用ください。
- マイクロフォーサーズ用:12mm
- APS-C用:16mm
- フルサイズ用:24mm
- 中判用:34mm
自分のセンサーサイズがわからない…という方は下記の記事を参考にしていただきながら、製品サイトで確認をお願いします!
カメラのセンサーサイズとは?|図解解説あり!専用クリーナー
スワブのみの乾拭きももちろん効果があるのですが、取りにくい汚れなどを落とすのに使用する専用クリーナーがあるとホコリ・ゴミ・汚れなどを解決できます。
ブロワー
ブロワーは空気を送り出すために使用するもので、通常のカメラメンテナンス等で使用するもので大丈夫です。500円〜購入可能なのでもしまだお持ちでない方はぜひこの機会に購入してみてください。
スワブの乾拭き前に小さなホコリを飛ばす際に使用します。
以上が最低限必要な用品になります。
ただ、ホコリ等にシビアな環境での作業になるため、静電気防止手袋やカメラを乗せるトレーなどをご用意いただくと、なお良いかと思います。
STEP1:外観の清掃
まずは外観の清掃です。なぜセンサーではなく外観の清掃を最初に行うかというと、レンズなどに付着したホコリや汚れが撮影に支障をきたしていることも多く、センサークリーニングをする以前に解決することがあります。
STEP2:汚れの確認
外観の清掃が終われば次はセンサー汚れの確認です。センサーをむき出しにして確認することももちろん可能なのですが、しっかり写りを確認してどこを清掃すればいいか確認する作業です。
- ファイル形式はJPEGで
- 最高画質・サイズで
- 撮影モードは絞り優先で
- ISO感度は100などの低い数値を採用
- ズームレンズを装着している場合は望遠側(数字の大きい方)
- マニュアルフォーカスにしてからピントを無限遠(∞マーク)にセット
- 絞りはF11前後(明るさとゴミの映り込み具合で調整ください)
- 撮影は三脚を使う必要はなし!
- 壁に白い画用紙を貼って
上記設定を採用して筆者が実際に撮影した写真がこちらです。
丸をつけた箇所にゴミがあるのがわかります。結構大きいですね…
こちらの除去を行っていきます。
STEP3:センサー内のホコリ除去
汚れの箇所を確認したらまずは大きなホコリを飛ばす作業から行います。
センサーを下にするように向け、下からブロワーで軽く吹きかけます。この時やたらめったらに吹くのではなく、前ステップで確認した汚れの箇所にホコリが付いていたらそこめがけて吹くようにしてください。
実はこれだけで大きいホコリが取れてセンサークリーニング不要!なんてこともしばしばです。
STEP4:センサークリーニング①
ブロワーでのホコリを飛ばし終わってもなお、目視で粘着性の高い塵や汚れが見受けられる場合はブロワーをやめ、まずはスワブで乾拭きを行います。
後ほど紹介するセンサークリーニング液を使用し他清掃から始めても、もちろん問題ないのですが、なるべく低リスクでクリーニングをするためにもまずは液をつけずに乾拭きで行います。
ブロワー同様乾拭きで意外にも汚れが取れてしまうケースが多いです。
斜め60度に倒して、右利きの方は左端から、左利きの方は右端から撫でるようにスッと動かします。そうすると違和感なく拭き上げることができます。端まで拭き切ったら、手を持ち変えるかメラを反転させて往復します。
STEP5:汚れの確認
ここまで拭き上げると前述の通りホコリが取れることが大半なので、STEP2の汚れの確認を再度行います。
すでにきれいに仕上がった場合はここで終了。まだ汚れが取れない方はSTEP6に移行します。
STEP6:センサークリーニング②
最後にセンサークリーニング液を使用した拭き上げ方法です。一度使用したスワブは必ず捨て、再利用は絶対にしないでください。(見えないホコリやゴミが付着しているため、かえって汚れを増やす可能性があるからです)
新しいスワブを使用し、クリーニング液を先端の綿部分に1〜2滴たらします。多くつけすぎても悪影響を及ぼす可能性があるので最低限拭き上げるための数滴で大丈夫です。
やり方はSTEP4と同じ工程を繰り返します。上記の6STEPを行えば大抵の汚れなどは除去できる事が多いです。
実際に筆者が執筆に当たりセンサークリーニングを実施した所、見違えるくらいのきれいな仕上がりとなりました。
ただ、それでも除去できない汚れがある場合は、サイドSTEP6を行うか無理をせずメーカー修理センターやカメラのキタムラなどに持ち込むようにしましょう。(強くこすったりすることでセンサーに傷が付く可能性があります)
ここまで実際にクリーニングを行う手順をご紹介してきました。意外と簡単?と思われた方が多いのかなと推測しますが、ここではセンサークリーニングを自分でやるメリットとデメリットについてお伝えしていきます。
センサークリーニングを自分でやるメリット
センサークリーニングを自分でやるメリットは下記の通りです。
- 比較的安価で実施できる!
- 自宅ででき、時間がかからない!
言わずもがな、低価格・即実施ができることがメリットですね。
センサークリーニングを自分でやるデメリット
一方でセンサークリーニングを自分でやるデメリットは下記の通りです。
- 故障時の保証が効かなくなる
- 自己責任で行わなければいけない
あくまで自己責任で行わなければいけない点と、一度壊れてしまうとメーカー保証期間内でも自然故障として扱われない「故意故障」になるため、泣き寝入りする可能背も大いに有り得ます。
ここまでのフローを行っていくに当たり、用品をそれぞれひとつずつ用意するのは選定が面倒くさい…という方向けに、センサークリーニングキットというものをご紹介します。
要はセンサークリーニングに必要なものがギュッと詰まったセットで、単品ずつで購入するよりも実は安上がりになることもあります!
ここでは筆者が実際に購入して使用し、非常にコスパよくクリーニングもきれいに行えたVSGOのVS-Sシリーズをご紹介します。
クリーニングに必要なものがこれで揃う!
先申し上げたスワブやクリーニング液など個別で買うと値があることがありますが、こちらは1セットで全て揃います。何を買うべきかわからない方におすすめです。
比較的安価で購入できる!
Amazn価格が3,000円弱で購入できることもあって、非常にお買い求めやすいです。
メーカーやカメラのキタムラなどに預けると1回3,000円〜ですが、このセットでは失敗しなければ3回〜ほど使用できるセット内容になっています。
多くのカメラ系Youtuberが紹介しています!
実際に案件ではあるものの、使用感をレビューされている動画がいくつかあったので引用させていただきながらご紹介していきます。
いつも拝見させていただいているイマジカさんの動画を引用させていただきます。
以上、センサークリーニングの各種やり方と業者への依頼方法でした。
再三申し上げているのでもう理解いただいていると思いますが、センサークリーニングは自己責任で行うメンテナンスになります。ただ、自身で行うことで安価かつ自宅でクリーニングを行える点からメリットも多いです。是非自分にピッタリのクリーニング方法を見つけてみてください。